1. フィリピンの人口状況
フィリピンの人口は、現段階で約9,400 万人となっています。毎年約2%強の割合で増加しており、2040 年には1億4,000 万人を突破する予想です。人口の60%弱がルソン島に居住しており、そのうち、マニラ首都圏の人口は約1,160 万人でフィリピン最大の経済圏となっています。
世帯数は約1,750万世帯で、1つの世帯で5人強の家族が住んでいる計算になります。年齢構成を見ると、平均年齢は21歳と非常に若く、20歳以下が人口の半数近くを占めています。
若年層が多いということは、これから先も若い労働力が豊富に確保できることが出来、フィリピンの経済発展に大きく貢献することが予想されます。
2.経済環境
近年のフィリピンのGDP伸び率は対前年比で約7%です。
2006年以前の過去5年の成長率を見ても4%~6%と安定していることから、将来的に見てもフィリピン経済は有望な投資先と言えます。
GDP の産業別構成比を見ると、サービス業が約53%と最大ウェイトを占め、第三次産業を軸として成長してきています。
2000年頃から欧米系の数多くのIT 企業が、フィリピンに相次いでコールセンターを設立し、そして多くの雇用を生み出しています。
コールセンターなどのビジネスプロセスアウトソーシング(以下、BPO)分野が新しい産業として成長しています。
フィリピンはアジアでも最大の英語圏であり、世界中を見ても安い賃金で英語人材が確保できる国です。工業中心に発展している中国やベトナム型というよりは、今後もBPO 産業、IT サービス産業で発展しているイ ンド型の成長となると予想されています。
GDPを支出面から見ると、民間消費支出が約70%以上を占めています。
2007年には海外就労者からの送金額が過去最高になるなど家計が潤い、人々の消費意欲も高まってきています。
3.フィリピン特有の経済環境
(1) 海外就労者
フィリピン経済と社会を理解する上で欠かせないのが、海外就労者の存在です。
OFW(Overseas Filipino Worker)と呼ばれる海外出稼ぎ労働者は現在150 万人以上おり、アジアや中東諸国を中心に世界各国で就労しフィリピンに送金をしています。
2006年の海外就労者からの送金額は125億USD、2007年は約140億USDとなり、その規模はGDPのおよそ1割を占めています。
実際、フィリピンの貿易収支は長年赤字であり、2006年も約76億USDの赤字でありましたが、 海外就労者からの125億USDの送金により、経常収支は約50億USDの黒字となっています。正に海外就労者がフィリピン経済を支えていると言えます。
海外からの送金はフィリピン国民の家計を支えており、消費者の購買力を賃金水準以上に押し上げています。
海外就労者からの送金の恩恵を最も受けているのは、マニラ首都圏などの都市部です。
海外就労者の出身地構成を見ると、約4 割がマニラ首都圏及びその周辺のカラバルゾン地域出身であり、就労者1人当たりの送金額が一定と仮定すると、マニラ首都圏とカラバルゾン地域にそれぞれ25億USD余りが送金されていることになります。一世帯当たりでは、年間約1,150USDを受け取っている計算となります。
マニラ首都圏やその周辺部は元々経済が最も発達しており賃金水準も高いですが、海外就労者からの送金が集中することで首都圏の経済を底支えしていると考えらます。
(2) 財閥
フィリピン経済を理解する上でもう一点重要な要素として財閥の存在です。フィリピンの企業数は74万社余り(2001年)ですが、そのうち従業員9人以下の零細企業が90%以上を占めており、従業員200 人以上若しくは土地を除く総資産額1億ペソ以上の大規模事業者は全体の0.4%、3,000社程しかありません。その中で大きな力を持ち経済を 握っているのが、少数の巨大財閥です。
フィリピンの財閥は、スペイン系財閥と中華系財閥に分かれます。スペイン系財閥は昔の大地主であり、所有する農地や土地を元にした不動産開発を主軸として成長し、その後事業の多角化を進め現在では多くの事業を傘下に持つようになっています。 代表的グループにはアヤラ財閥があります。
一方、商業分野で大きな力を持つのが中華系財閥です。
SM グループやゴコンウェイ(Gokongwei)グループがその代表で、複数業態の小売事業を持ち、いわゆる組織化された近代的小売業界を主導しているグループと言えます。
現在では、スペイン系財閥と同様、不動産開発、食品製造、金融など多くの事業を傘下に持ち、小売業界のみならず商業、産業界に大きな影響力を持っています。
4. 税制
法人所得税などが高く負担率が大きいです。
法人税について35%で日本よりは低いですが、周辺国の基本法人税率と比較した場合、ベトナム28%、マレーシア28%、タイ30%とフィリピンが最も高くなっております。
2009年1月より30%へ引き下げられましたが、従来33%であった中国も2008年1月より25%への引き下げを実施しており、やはりフィリピンの高税率が目立ちます。
ロイヤルティ、利子、配当送金への課税率もそれぞれ25%、15%、25%と高率になっています。
但し、これらは2006年12月の日比租税条約改定の合意を受け、ロイヤリティと利子送金については10%、配当送金は15%に改訂されることが決まっています。
日本側の国家批准手続きは完了していますが、フィリピン側の批准が遅れているため、早期の批准発効が望まれています。
フィリピンの主な税率(2008年2月時点)
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地方税 ‐ 地方事業税 税率は事業形態により異なる。上限3.65%、一般的には0.75%
5. 治安
治安に関する問題は、小売事業に限らず進出する日本企業にとって大きな懸念事項となります。
日本人を狙った犯罪も発生しており、2006年には強盗などにより日本人が死傷した事件が6件発生していました。但し現在では経済の発展とともに年々犯罪件数は少なくなってきております。
例えばマカティのビジネス街やロックウェルやフォートボニファシオグローバルシティなどの地域では日本と同じくらい安全のように感じます。
とはいえ、海外で生活する場合は犯罪合わない為にも、ある一定の緊張感は持って生活することをおすすめ致します。
さらに詳しいフィリピン情報については、日本貿易復興機構(ジェトロ)のサイトもご覧ください。
6.不動産
居住住宅:賃貸料安定
•コンドミニアムで特に人気が高いのはフォートボニファシオ・グローバル・シティです。
•多数のコンドミニアムの完成により賃貸料と入居率に影響の懸念がありましたが、2010年第1四半期の空室率に特には影響はありませんでした。
•コミュニティーやセキュリティーが万全な高級物件は主に、家族づれの外国人在住者に人気です。
•マカティ市内、特にCBDエリア(ビジネス街)においては、Studio Type(スタジオタイプ)及び、1ベッドルーム(1LDK)のような単身滞在者向けのコンドミニアムに需要があります。
•マカティ市内の3ベッドルームの平均賃貸料は安定していますが、今後降下するという見解があります。理由としては多数のプリセーリング物件の開発による供給の増加や大気汚染が激しいマカティ市内で家族連れで住む需要の少なさにより、のちに賃貸料の値段競争が始まることが予想されるからです。
賃貸料
•2010年第1四半期、マカティCBD内の高級3ベッドルームの平均賃貸料は平米540ペソ、または250平米のユニットは月額 135,000ペソと実質的に変わりありませんでした。
•ロックウェル・センター内の賃料は平米680ペソ、または225平米ユニットあたり月額 153,000ペソと 平米単価が一番高いにもかかわらず一番低い空室率を維持しています。
• そして同様に平均賃貸料が安定しているボニファシオ・グローバル・シティでユニットが290平米の場合は平均月額 177,000ペソで貸し出されています。今後多くのプリセールスコンドミニアムが完成した時、相場の動向を注視する必要があります。
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7. マカティ近郊の地価
マカティ・セントラル・ビジネス・ディストリクト(マカティCBD、ビジネス街)はフィリピンで価値の高いエリアです。過去20年で2001年に地価格が下落し、最近では金融危機により2009年にもわずかながらですが価格が平米 270,000ペソまで下がりました。
しかしながら、マカティCBD地区は常に人気のエリアな為、常に価格は高値ににあります。
これから投資をするのであれば、今もなお開発中のフォートボニファシオ・グローバル・シティがおすすめです。
理由としては外国人が住むには安全で治安が良い事、同じく治安の良い区域であるマカティのビジネス街やロックウェル地区よりも比較的価格の値上がりがまだ低いことがあげられます。
さらに、街の北側の基盤工事が完成したことにより、ますます開発が進んでいくことが予想されます。


